非常用発電機の負荷試験とは、非常用発電機のエンジンおよび発電装置の両者が、
継続して確実に稼働するかを確認するために実施する試験のことです。
主に災害時に外部電源が遮断された際、スプリンクラー、消火栓ポンプ、誘導灯など
人命に関わる設備に電気を供給する防災の要となる設備です。
病院や学校、商業施設、ホテルなど不特定多数の人が集まる一定規模以上の建物では、
消防法および建築基準法によって『非常用発電機の設置および定期的な点検』が規定されています。
この負荷試験のもっとも重要なことは『動作するか否か』ではなく、
『災害などの非常事態の際に確実に発電ができるか否か』です。
そのような際に発電できなければ非常用発電機を設置している意味がないのです。
過去の東北大震災でも発電機が稼働しなかった建物は30%にまでのぼると言われています。
また、2018年の大阪北部地震の際にも発電しなかった建物がありました。
万が一、非常用発電機が正常に稼働しなかった場合、
人命に関わる重大な二次災害が起こる可能性が高まります。
消防法などの罰則はありますが、そのことよりも『非常時に人命を守る』
この責務を果たすことこそが、何よりも重要なことなのです。
※非常用(自家用)発電機設備の点検方法が改正されました。
平成30年6月1日に消防用設備の点検基準及び消防設備等点検結果報告書に
添付する点検表の様式一部が改正されました。
⇒ http://www.fdma.go.jp/concern/law/tuchi3006/pdf/300601_yo372.pdf
改正のポイントは大きく4つあります!
負荷運転に代えて行うことができる点検方法として内部監察が追加されました。
以前 | 負荷試験のみ |
改正 | 負荷運転または内部観察等が追加 |
負荷運転及び内部観察等の点検周期が6年に一度に延長されました。
以前 | 1年に1回 |
改正 | 運転性能の維持に係る予防的な保全策が講じられている場合は6年に1回 |
原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の負荷運転は任意となりました。
以前 | 全ての自家発電設備に負荷運転が必要 |
改正 | 原動機にガスタービンを用いる自家発電設備の負荷運転は不要 |
換気性能点検は負荷運転時ではなく無負荷運転時等に実施するように変更されました。
以前 | 負荷運転時に実施 |
改正 | 無負荷運転時に実施 |